新築アパートで建築費の見積書をもらったら、どこを注意して見るの?
新築アパートの建築を計画されているのならば、
複数社から見積書を取り寄せているかと思います。
新築アパートでの建築費の見積書ですが、いくつか注意点があります。
見積価格は安いに越したことはありませんが、安さだけで判断するのは危険です。
今回は
「新築アパートで建築費の見積書をもらったら、どこを注意してみれば良いのか?」
というタイトルで紹介したいと思います。
1)見積もり依頼をする「前」に注意すべき点
新築アパートの見積と言っても、
「木造建築か、RC建設か、デザイナーズアパートか」など
設計によって見積価格はまるで違ってきます。
マンションで用いられる鉄筋コンクリート造の場合、
木造建築の2倍ほどの価格帯になるので
収益についても十分計算した上で検討することが大事です。
新築アパートの見積書を複数社で取り寄せる場合、全て木造で依頼するなど
同じ基準レベルで見積書を作成してもらうことが大事なポイントでもあります。
1-1)木造かRC造か
強度のことを考えるとRC造(鉄筋コンクリート造)が良いといった人も多いことでしょう。
確かにRC造の素材は地震に強く、木造建築物より耐久年数も長くなっています。
品質が良いのは確かですが、木造建築物よりも見積価格は高くなります。
仮に床面積250u(75.63坪)のアパートを建設するとして
木造が坪単価50万円、RC造が坪単価90万円の場合、
1棟あたりの本体価格は
木造は3,782万円、RC造が6,807万円になります。
このように建設費用が大幅に変わってくるので、
収益を計算したうえで検討することが大事です。
1-2)複数社の見積が基本
新築アパートの建築ですが、複数社から見積書を取り寄せることが基本となります。
できれば最低でも3社から取り寄せましょう。
また見積もり内容にも気をつけなければなりません。
アパート新築といっても構造にいくつかの種類があります。
見積依頼の際は木造かRC造か、坪数の目安と希望を明確に伝えることが大事です。
見積書取得の成功は
「依頼者が工務店さんに最初にどんな依頼の仕方をするか?」
にかかっていると言っても過言ではありません。
リアルな金額を割り出すためにも明確に指示することが大事です。
2)建築費用よりも収益に注目する
ここからが、見積書を受け取った後の話しになります。
建設時は建築費用が最も気になる項目かと思いますが、
実は大事なのは収益の部分です。
いくら建築費が安くても収益の利回りが良くない、
あるいは回収できない状態では意味がありません。
目先の費用にとらわれず収支をしっかり計算することが大事です。
2-1)建築費用が安くても収益が少ないと意味がない
・建築費用が4000万円で30年で5000万円の収益物件と
・建築費用が2500万円で30年で1800万円の収益物件
があるとしたら
どちらを選択する方が賢い選択かというと、当然前者となりますよね。
ここでの大きな違いは初期投資費用です。
上の例だと、建物本体だけで初期投資費用が1500万円ほど変わってくるので、
このあたりは要検討事項かと思います。
アパート建築はあくまで経営です。経営でプラスになるものを意識して選びましょう。
2-2)収益のメリットを出せる工務店を選ぶ
新築アパートの見積書と合わせて
「収益計算」についても依頼することをおすすめします。
アパート建築費の見積価格も大事ですが「収益を出せるかどうか?」が業者さん選びの決め手になります。
収益シミュレーションの提示がない、
あるいは特段出さないといった会社は、辞めておいた方がよいでしょう。
アパート建築を手掛ける会社は、建築までが自分たちの利益につながるケースがほとんどです。
そのため「いかにして自社を選んでもらうか?」が最優先になりがちですが、
大家さんにとってアパート建築で大事なのは、その後の運営と利益確保です。
そこの部分を明確に提示できない工務店さんや建物には、手を出さない方が良いでしょう。
もちろん、ハウスメーカーさんや工務店さんが提出してくる「収益シミュレーション」は、
ハウスメーカーさんに都合が良いように、利益を多めに書かれていることもあり得ます。
全てを鵜呑みにするのは危険なので、
「この家賃がずっと入ってくるのかな?」
「修繕リフォームの代金がシミュレーションでは足りないのでは?」
と、自分でも精査されることは必要ですね。
4)最後に
新築アパートの建築では、建築費用にばかり目が行きがちですが
本当に大事なのは収益であることをどうぞお忘れなく!
目先の費用に目がとらわれてしまいますが、
アパート経営は20年、30年と長期継続であり長期活動になっていきます。
見積り取り寄せの際は、今回の記事をぜひ参考にしてみてくださいね。